経営者はインド採用を進めたいが現場、プロジェクトマネージャーが反対するケース|インド人エンジニア採用FAQ

インドやバングラディシュ、パキスタンからエンジニアを採用しようと考えた際、経営者はGOなのだが、現場の上長やプロジェクトマネージャーが強固に反対する。というケースはよくあります。

雇用関係は指揮命令権ですから、反対意見があったとしても経営者がやると決めたことには従う必要があります。しかし、従業員には職業選択の自由がありますので、従うことができない命令ならば退職という選択をすることができます。

ポジティブな離職は必要なシーンもありますが、リーダーの意志決定のたびに退職者が発生する職場は、企業の成長性という点では好ましくはありません。

また、従業員にとっても、意に沿わない経営上の意思決定に流され、心にわだかまりを持ちながら働くということは精神衛生上よくはありません。その人のパフォーマンスは著しく低くなるでしょう。

もちろん、市場のグローバル化の流れは止めることができない以上、人材のグローバル化も止めることはできません。そのため、仕方が無いという対応のしかたも可能です。

しかし、できることならば、経営陣を含めたメンバー全員がポジティブな気持ちで会社の成長・発展に参画していくことが、社会全体にとっては大切でしょう。

では、このようなケースの場合、どのように対処すればよいのでしょうか。

従業員は会社の命令に絶対服従はできない

従業員は会社が潰れても生きていく必要があるので、社内評価よりも市場評価の方が重要である。

まず、大前提として、従業員は会社の命令に絶対服従はできない、ということがあります。

これは、法律に違反する/しないの問題ではなく、例えば、「何もせず座っているだけ」という業務命令を受けることはできないということです。

何故なら、会社は潰れてなくなりますが、従業員は会社がなくなったあとも生きていかなくてはならないからです。何のスキルも身につかない仕事で過ごしてしまっては、会社が無くなった場合、生きていくことができません。

もちろん、経営者は会社を潰さないように、あらゆる手を尽くしてはいますが、潰れるときは潰れます。

諸説あるかと思いますが、終身雇用が強固に約束され、会社が永遠に続くという幻想を全員が共有できていた時代ならば、会社と従業員は一心同体です。そのため、従業員は、会社が死ぬ(潰れる)のを防ぐために、どんなことでもしていたかもしれません。

バブルがはじけ、リストラの時代になった際、会社は従業員には何もしてくれないということがはっきりと判明しました。

社員思いな会社かどうかではなく、潰れてしまうと、会社は物理的になにもできなくなってしまいます。だからこそ、従業員は会社はつぶれるかもしれない、という前提に立ち、生存戦略を駆使していく必要があります。

社会主義国の崩壊を得て、国家ですら潰れるということが明確に伝わりました。結局のところ、個人は組織に頼らず自分の身は自分でなんとかしなくてはなりません。

そのため自分の身を守ることに有効な業務命令には従う理由がありますが、自分の身を危険にさらす業務命令には従うことができません。

では、自分の身を危険にさらす業務命令とは何なのでしょうか。

キャリアのESBI

ESBIという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

実は、お金の稼ぎ方というのはE(Employ:従業員)S(Self employ:自営業者)B(経営者:Business Owner I(Investor:投資家)の4つしかありません。

自営業者と経営者の違いが少し理解しにくいのですが、これは、法律上の立場ではなく、実体としてどうかということが重要になります。

ここで言う自営業者は、いわゆるプロフェッショナル職です。自営業者であっても人を雇用する場合がありますが、いわゆるアシスタントとして雇用する場合は雇用主であっても自営業者という立ち位置になります。開業医と看護師、弁護士とパラリーガル、コンサルと秘書のような関係です。

反面、経営者が雇用するパターンはアシスタントとしてではありません。

この図はマルチビジネスをしている人などの間で、「君も投資家になって不労所得を手に入れよう」のような扱いをされていたりもしますが、別段、投資家が優れているというわけではありません。稼ぐ方法が違うという事実の話であって、優劣の要素はありません。

また、従業員から経営者になり、いずれ投資家になる。のようにレベルアップの文脈で語られる場合もあります。ポジションが変わる場合はありますが、前述の通り優劣の話ではないので、これも違います。

重要なことは、職業人として、自分がどのようなキャリアプランを描いているかということです。例えば経営者(ビジネスオーナー)としての道を目指している人にとって、自営業者(プロフェッショナル・職人)としての道を選ぶことは自分自身の市場価値向上において悪手です。

同様にプロフェッショナル(職人)としての道を選ぶ人にとって経営者としての生き方を選ぶことは遠回りです。

自分の身は最終的には自分で守らなければならない以上、経営者を目指す人に「職人として生きろ」という業務命令や職人を目指す人に「経営者として生きろ」という業務命令は受け入れることはできません。なぜなら、自身の市場からの評価を棄損してしまうからです。

業務命令を聞くことが、自身の市場価値の棄損になる場合、合理的な判断により業務命令をきくことができません。

自分の人生の目的に沿っているかどうか

実は、インドからエンジニアを採用しようと考えた場合、経営者的には賛成でも、直属上司や現場の長、プロジェクトマネージャーから反対されるということは、よくあることです。

それは、突き詰めていくと、それは、そのプロマネの仕事に対するESBIポジションの違いです。

その人がプロフェッショナルとしてのキャリアを求めているのか、経営者としてのキャリアを求めているのかということです。

これは、「どちらが良い」という話ではなく、「違う」という話です。

プロフェッショナルを目指す人にとって、メンバーはアシスタントです。そのため、メンバーに自分以上のスキルを求めません。

メンバーに必要な人は「スキルが高い人」ではなく「コミュニケーションコストの低い人」であったり「事務仕事をコツコツとすることが好きな人」といった人です。

逆に経営者を目指す人は、「自分以上の能力を持った人」を活用する必要があります。多少コミュニケーションコストが高くても、その人が卓越した能力や資質を持つならば、トータルで判断します。

プロフェッショナルとしてのキャリアを進んでいるプロマネにとって、今まで接したことがない人材と一緒に仕事をすることは、自分自身のキャリアとの整合性が無い為、自分自身の市場価値を高めるための手段として選択ができません。そのため、反対します。

※もちろん、弊社の場合はライフサポートをしっかりと行うため、私生活での負担が会社にかかることはありません。

反面、経営者を目指す人にとっては、自分よりも優れた人材に働いてもらうことが必要です。そのため、多少合流・定着コストがかかったとしても、トータルでプラスならば反対する理由はありません。

「どちらがよい」というのではなく、いざという時に自分の身は自分で守らなくてはならない以上、自分の市場価値を最も効率的に高めるためには、このように合理的に判断するしかありません。

論理的納得と心理的納得

もちろん、人間は限定合理的な生物であり、判断にはどうしても感情が入ります。論理的には納得できても、心理的には納得できないということもあります。

そのため、納得をゴールにする会議では、主催者は少なくとも論理的な整合性は準備をする必要があります。心理的な納得は人間同士なため、難しくはありますが、論理的な納得は論理の話なので準備が可能です。

自分自身の人生の目的がS(Self employ:自営業者)だった場合、周囲の人間はアシスタントとして働いてくれる人が必要になります。自分自身の輝きを増すために仕事をしている以上、キラリと光るものがあるが、今までとは異なる人とチームで仕事をすることにメリットはありません。

この場合、インドやバングラディシュ、パキスタンなど、からエンジニアを採用していこうという戦略は論理的に受け入れることが難しくなります。

反面、B(経営者:Business Owner)の場合は、自分よりも能力の高い人に如何にして働いてもらうかが人生の目的です。反対をするプロジェクトマネージャーがB(経営者:Business Owner)としてのキャリアを考えているのならば、論理的には反対をする理由はありません。

つまり、インドやバングラディシュ、パキスタンからエンジニアを採用しようと考えた際、経営者は進めたいが、現場の上長やプロジェクトマネージャーが強固に反対するといった場合には、まず、そのプロジェクトマネージャーの人生の目標が(Self employ:自営業者)なのか(経営者:Business Owner)なのかを確認する必要があります。

「Self employ:自営業者」と「経営者:Business Owner」では会社や社会への貢献の仕方が異なります。 どちらが「よい/悪い」の話ではなく、会社組織を継続的に発展させていくためには、より多くの人の力が必要です。そのためには、その人の人生の目的に沿ったマネジメントスタイルを構築する必要があります。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。株式会社南アジアエンジニアでは、人材採用戦略の変更に伴う様々な問題に対してもご相談を承っております。

小さなことでも問題ありませんので、是非お気軽にご相談ください。

Follow me!