海洋国家の成長戦略|破綻しないビジネスモデル|インドエンジニア採用FAQ

ビジネスモデルの「良い/悪い」を判断する際は、内部的な要因に加えて、マーケットの原則、時代の流れ、外部環境との整合性を確認しておく必要があります。

ビジネスモデルは競争優位性を如何に担保するかどうかなので、外部環境の流れに逆らうビジネスは成立しえません。

「流れ」に対しては「流される」でも「逆らう」でもなく「乗る」必要があります。そして乗るべき流れとはインドエンジニア採用に代表される、国際的な人材獲得競争に勝つことです。

これは決して理想論ではなく、海洋国家である日本には、そのポテンシャルがあるからゆえの極めて現実的な成長戦略です。

スジの悪いビジネスモデル

現在の日本の外部環境を踏まえると、仕様書通りにプロダクトを作るビジネスは極めてスジが悪いビジネスであると言えます。

理由は仕事を通じた成長が無いこととマーケットの縮小です。

仕様書通りにプロダクトを作る場合、完成形は決まっています。作成の過程で、改善や工夫をエンジニアが行う必要が無いため仕事を通じた成長が構造的に発生しません。

もちろん、最初の1年程度の時期に、仕様書通りに作れるようになるなど、そういった意味では有意義ですが、成長へのインセンティブが無い以上、仕事を通じた成長が得られず、給与を上げることもできません。

では、何故、そのようなビジネスがここまで成立しているかということですが、1つめの理由は、日本市場が豊かな市場であったということです。

市場が豊かなため、成長がない人員に対してもある程度の給与を支払うことができ、また、品質に差が無いコモデティティ商品の常として価格競争になりますが、市場が豊かであったために、それほど価格競争をする必要がなかった。少しの営業力で生きのこれる市場であったと言えます。

しかし、日本市場そのものの縮小は、もはやどうにもならないレベルまで来ています。つまるところ、マーケティングを含めたセリングで勝つという戦略はゼロサムゲームで如何に勝つか?という戦略であり、ゼロサムゲームの勝者は、さらに小さなパイを奪い合う次のゼロサムゲームに参加することになるので、本質的な解決にはなりません。

日本市場が豊かだったため、競争力の無いコモディティプロダクトでも生きのこることができました。

2点目が、人口減少と労働者市場の縮小です。

仕事を通じて成長できない職場というのは、結局のところ若さの使い捨てです。戦略的ブラック企業によくある手法なのですが、美辞麗句を連ねることで「若さ使い捨て」ということを隠して人員を集めることが可能でした。さらに、いわゆる「憧れ産業」であれば、この手法はより有効です。

「仕事を通じての成長が望めない仕事」で働くことは「若さを使い捨てることと同義」のため、労働者にとっては自分自身の市場価値を損なうだけです。そのため、そういった会社が人員を集めるためには、そういった判断ができない例外的な人を集めるしかありません。人口の絶対数が減少してしまっている以上、採用コストは幾何級数的に上昇します。

3つ目はAIに代表されるテクノロジーの台頭です。

仕様書通りに作るコモディティ商品はあくなき価格競争に巻き込まれますが、世界最安値のオフショアよりもさらに安いものは機械による作成です。

人件費が世界で一番安いエリアであっても機械には勝てません。なぜなら機械は人件費がゼロだからです。

テクノロジーの進歩により、価格競争は最終的には機械との競争になります。

よく「インドのエンジニアは人件費が安い?」や「世界でエンジニアの人件費が一番安い国はどこ?」とお声を頂くのですが、機械にやらせるのが一番安いです。

※ビットコインのマイニングなどはベネズエラが一番安いらしいのでベネズエラでしょうか。

計算手という仕事は無くなり、街の写真屋さんも無くなりました。現在では、翻訳会社も無くなりつつあります。結局のところ、仕様書通りに作るというコモディティビジネスは必ず衰退するので、ビジネス自体を変更しなくては生き残れません。

しかし、そういったビジネスの転換というのは、実は十分に可能であり、例も多く存在します。有名な例としてDHC(大学翻訳センター)は当初は翻訳会社でしたが、化粧品・健康食品の作成に関する翻訳を手掛けることでノウハウを貯めて自社開発にシフトし大きく成功しています。

上記のようにコモディティビジネスには未来は無いため、開発などの、高付加価値ビジネスにシフトする必要があります。インドエンジニア採用に代表される人材の獲得競争に勝つことは、そのシフトと非常に整合性の高い戦術です。

儲かるビジネスモデルを創る必要がある

先ほどの通り、コモディティビジネスは確実に破綻します。そのため、儲かるビジネスにシフトしていく必要があります。

儲かるビジネスというのも数多く存在しますが、検討していく際には、以下の2点を確認しておくことが非常に重要になります。

まず、1つめ目は、仕事を通じた成長があることです。

このコラムでは繰り返しになるのですが、会社が従業員に与えることができるものは根源的には「仕事を通じた成長」しかありません。1人1人の従業員が仕事を通じて成長していくことで、その成長した従業員を以て会社はより大きな仕事に取り組むことができるようになります。

人材の使い捨てを行う場合、儲かるのは人材会社だけです。

儲かるビジネスの2つ目の条件は、利益が青天井であることです。これは「攻めのプロダクト」と「守りのプロダクト」という概念でも説明されています。

守りのプロダクトは業務の効率化など、生産性向上などへのイノベーションに代表されます。非常に重要なイノベーションではありますが、効率化した分が利益の上限であるという性質を持ちます。つまり、安くした差分以上の利益を出すことはできません。

現在では多少状況が異なりますし、ここまで単純化はできませんが、例えば、アンドロイドの単価はIPhone以上にはできません。値段が同じならばIPhoneが売れることでしょう。ジェネリック医薬品は先発薬より高い値段に設定することはできません。

反対に、攻めのプロダクトとは、すなわち売上そのものを大きくするプロダクトです。売上そのものが青天井に増えるならば、利益も青天井です

アンドロイドもジェネリックも確固たる市場がありますので、儲からないというわけではありません。しかし、研究・開発するプロダクトが攻めのプロダクトなのか、守りのプロダクトなのかを確認した上でなければ事業の成長戦略は構築できません。

コンサル世界でも経費削減コンサルは削減した以上のフィーを得ることはできませんが、売上アップコンサルは理論上無限大のフィーを取ることができます。

3つ目は地理的な整合性・優位性があることです。

中学生で習う地理ですが、豪雪地帯で伝統工芸品が盛んなのは、屋内での作業ならば雪の降らない地帯との優位性に差が無いからです。

スイスの時計などもそうです、小さくて高価なものならば、流通コストの吸収が容易なので、沿岸部との競争でも優位性を担保することができます。

そして、これらの地理的な整合性・優位性は輸送技術のイノベーションにより変化します。リンカーンの時代にアメリカ大陸で小麦ではなく綿花が栽培されていたのは、大消費地であるヨーロッパまでの道のりにおいて帆船では重い小麦は不利で、軽い綿花である必要があったからです。帆船というテクノロジーでは、黒海周辺産の小麦にアメリカ産の小麦は優位性はありませんでした。

ここで重要なのは、現代での日本の立ち位置です。

海洋国家である日本は資源大国である

日本は資源が無い国と言われますが、それは間違いです。日本は海洋国家なので、必要な時に必要なモノを世界で一番高品質&低価格な場所から運んでくることができるという非常に競争優位性のあるポジションを占めています。

ビジネスで重要なのは「ヒト」「モノ」「カネ」と言われていますが、「カネ」に関しては、非常に流動性が高いため、既に世界のどこでも同じ条件です。

戦略物資が石油と鉄とゴムで固定されていた時代と異なり、重要な戦略物資は日々変化します。「モノ」に関して、海洋国家である日本は、世界と競争に勝ち抜く圧倒的なアドバンテージがあります。

付き詰めていくと、最後の勝負の分かれ目はヒトです。ここは大きく手を打つ必要があります。

何故なら、日本は人口減少だからです。確かに、国内にも人材はいますし、国内の人間を育てることで人材にしていくという戦略は有効です。しかし、人口が減少している以上、その戦略は必ず先細りです。

優秀なエンジニアの絶対数が少ない以上、世界から広く探すしかありません。

前述のとおり、人材面では刈り取り、販売面では営業力で何とかするという、コモデティティプロダクトの成長戦略は構造的に破綻します。そのため、非コモディティビジネスへの変更は必須です。

そして、そのポテンシャルがあります。インドからのエンジニア採用は、このポテンシャルを活かすための帰結であると言えます。

Last updated: 11月 1, 2019 at 22:44 pm

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