留学生採用とインドエンジニア採用の本質的違い|インドエンジニア採用FAQ

インドからのエンジニア採用という議題が扱われる際に、留学生採用や在日外国人採用と同じような文脈で登場することが多いです。

しかし、採用戦略という点に於いてこれらは大きく異なります。このコラムでは繰り返しになるのですが、採用戦略を立てる際には、まず成長戦略、すなわち自社の勝ちパターンを想定してのブレイクダウンが必要です。

今回は、留学生採用・在日外国人採用とインドエンジニア採用戦略の違いについてみていきます。

面接で見るポイントは2つだけ

世の中には沢山の面接本が並んでいますが、面接で見るポイントというのは2つしかありません。それは社風マッチとスキルマッチです。

社風マッチは、そのままですが、自社の社風に合うかどうかです。社風というのは各社によって異なります、また日本国の企業ならば日本国法に従う必要もあります。そういったモロモロを含めて自社のメンバーとして同じ船に乗ることができるかどうか、という点を確認する必要があります。

合わない社風の中で働くことは、会社にとっても本人にとってもメリットが無いので、企業も候補者も互いに確認をする必要があります。

スキルマッチもそのままです。いかに社風とあった人材であっても、会社で成果を出していく上での必要なスキルが無い人材は同じ船に乗ることはできません。

世の面接本には色々なことが書いてありますが、面接で見るべきはこの2点だけです。人間の能力は集中力で決まるので、この2点に集中することで、よい面接をすることができます。

人間は変化・成長する。

ここで重要なのは、社風マッチにしろ、スキルマッチにしろ、人間は変化・成長することができます。つまり、見るべきは今現在の状況ではなく、その人の変化対応力や柔軟性であるということです。

文系大学生が武闘派商社に入り、最強ソルジャーに変化・成長したということは珍しいケースではありません。つまり、その人の現在ではなく、柔軟性を確かめ未来を見る必要があります。

何故、柔軟性が重要か。

なぜ、柔軟性が必要なのでしょうか、それは、会社というものは時代に併せて変化していく必要があるからです。会社が変化していく以上、それに合わせて従業員も変化していかなくてはなりません。

いわゆる急成長企業では、会社の成長スピードについてくることができなかった人が一定数存在してしまいます。もちろん、これは会社のハンドリングがイマイチで、迷走した結果、付いていくことができなかったということもでもありますので、改善点は全方位に存在します。

いずれにせよ、如何に経営者が時代に併せた最小のハンドリングをしたとしても、全メンバーも変化をする必要があるので、全ての人にとって変化対応力・柔軟性は非常に重要な要素です。

余談ですが、所謂プログラミングの世界でCやBasicなどプリミティブな言語を土台として習得している人はそういった年齢を重ねても柔軟性が担保されているという傾向があります。

留学生とはどういう人材プールか

それでは、社風マッチ・スキルマッチという点で留学生はどういう傾向のあるグループなのでしょうか。もちろん、個人個人で異なりますが、傾向として確実に言えるであろうことは、日本語スキルと日本の会社という社風の理解レベルでしょうか。

日本に居ない外国人と比較して、日本語と日本のことを知っているというアドバンテージが確かに存在します。

そこで考えたいことは自社の採用戦略との整合性です。具体的には、例えば、以下の質問です。

「日本語と日本のことをよく知っている人材を雇用しようという採用方針の会社さん、国内のシングルマザーではダメですか?」

いかかでしょう。

ダイバーシティ採用

このジャンルの質問は人事界隈ではダイバーシティ採用と言われていたりします。

人手不足の昨今では、色々な人材セグメントへのアプローチが行われていますが、そこで重要なのは、会社にとって必要なこだわりと不要なこだわり(偏見)を無くすといことです。

成長戦略と照らしあわせて、整合性・合理性の無いこだわりは排除することが必要です。

例えば、先ほどの例ならば、「日本語が話せて、日本の事を知っている」ということが拘りならば、シングルマザーでも論理的に問題はありません。にも拘わらず、留学生はOKで、シングルマザーはNGという会社は相当数存在し、なぜか「人出不足だ~」と言っています。

繰り返しにはなるのですが、シングルマザーが可哀そうだから雇用しようということではありません。大切なのは各社の採用に関する拘りと、実際のオペレーションとの整合性です。

例えば、大学の名前で足切りをすることは問題ありません、しかし、大学の名前で足切りをする理由が「17歳・18歳の時に遊びたいという誘惑に勝ち、大学受験に一生懸命に取り組めた人が社風と合う」ということなのでしたら、如何に高偏差値大学であっても推薦入試や親コネで入学した学生は採用すべきではありません。その場合は、面接の際に高校受験で力をいれたことなどを聞いてみる必要があります。

例えば、シングルマザーはすぐ休むということが問題ならば、介護中の人もダメでしょう。また、両親ならOKという場合、今は男性も育児に参加する時代ですので、奥さんに育児の負担をかけているだけかもしれません。重要なのは、休むという事実に対して、事実を事実として捉えた対応をすることです。

エゴとダイバーシティ

留学生などなど、ダイバーシティ採用をする際に大切なのは、やはりスキルマッチと社風マッチです。社風というと限定的ですので、社会性マッチと少し範囲を広くする必要があります。

企業は自社が求める社会性、すなわち社風マッチに於ける必要な拘りと不要な拘りを明確にし、その上で候補者と接する必要があります。

これは決して差別ではありません。また、そもそも〇〇は可哀そうだ、ということこそ差別です。

子どもが熱を出そうと、旅行に行こうと、欠勤は欠勤です。そこに差はありません。旅行にいく理由は、人生の恩師の最期になるかもしれないお見舞いかもしれません。理由の軽重を会社が主観判断することはできません。重要なのは、有給休暇のシステムであり、従業員の欠勤で会社が傾かない骨太な組織設計です。

また、最近、多様性雇用という文脈でLGBTの問題がホットトピックですが、例えばトランスジェンダーの人への差別はいけません、しかし、日本社会には明文化はされてはいませんが、社会的に許容されうるドレスコードが存在するので、何でもOKということにはなりません。

社会性の無いダイバーシティは只のエゴイズムであり認められません。だからこそ企業は、面接の際に社風とスキルに於いての必要・合理的な拘りと、不要・非合理な拘りを明確にしておく必要があります。

自衛隊などの場合はアレルギーやムスリムの社員を想定した「何でも食べられること」への拘りは重要・合理的ですが、日本の普通の企業ならば、その拘りは採用に於いて不必要な拘りです。

重要なのは柔軟性とトレーニングコスト

その上で、重要になるのが柔軟性とトレーニングのコストです。

企業は競合との競争に勝たなくてはならないので、不必要な拘りを捨て、必要な拘りを明確にし、なおかつ将来の社風マッチ・スキルマッチについて計算する必要があります。

例えば、先ほどの例ならば、文系文化部学生を武闘派商社の営業ソルジャーにトレーニングするのに、どれぐらいのコストが必要が必要かということです。いいも悪いも無い現実として、そのコストが競合との競争に勝てるペイラインを超えているのならば社風・スキルマッチはOKですし、そうでないならば、経営上問題がある、つまり、マーケットとの約束を果たせません。

伝統的な日本の新卒採用のシーンでは、その会社だけで通用するガラパゴススキルを入社後にトレーニングするため、新卒にスキルを求めないため、社風マッチだけで行っていたりする企業もあります。これは、改善した方がよいとは思うのですが、事実として存在している以上、間違いではないのだと思います。

結局のところ、このトレーニングコストの算出方法が各社のウデの見せ所になり、競争力の源泉であり、下克上のチャンスが無限に広がっているエリアでもあります。

トレーニングコストのペイラインも変化する

ここで大切なのは、トレーニングコストのペイラインは時代に併せて変化していくということです。

例えば、看護師業界とかは、以前は看護師免許を持っている人しか採用されませんでした。当たり前と思うかもしれませんが、現在では、大学系の病院ならば、お礼奉公を条件に学費無料の場所もあります。

他にはネイルサロン業界などもそうです。以前はネイルの学校に自前で通っていた人しか採用されませんでした、しかし昨今の人手不足の中、学費支給になり、現在では在学中も給与支給というレベルにまでトレーニングコストのペイラインが下がっています。

つまり、トレーニングコストのペイラインは時代に併せて変化していくので、それをマーケットから読み取ることが非常に重要だということです。

それでは、ようやく本題ですが、エンジニア業界はどうなのでしょうか。

高度エンジニアのトレーニングコストは莫大

長くなりましたが、今回のテーマは、留学生・在日外国人雇用とインドエンジニア採用戦略との違いです。留学生には日本語ができるというアドバンテージがあります。

しかし、ここで重要なのは、あるレベル以上のエンジニアスキルの育成には値段が付けられないということです。100万円投資したら、年収1000万円のプログラマになるということはありえません。センスはお金で買えません。

しかし、日本語スキルはトレーニングコストが一流のエンジニアスキルに比べれば、非常に低いです。

エンジニア採用の場合、あまり意味が無いので推奨はしませんが、例えば日本の大手企業がNUSやガジャマダ大やチュラロンコン大の生徒を対象に青田買い目的のビジネスコンテストを行うのですが、自国での予選の後、日本での決勝までの3ヶ月程度のインターバルで、日本語でスピーチができるレベルにまで仕上げてきます。

誤解を招きたくないのですが、留学生が優秀ではないと言っているのではなく、日本語ができるから留学生ということを主軸に採用活動を行うのは、整合性の無い判断だということです。

インド(世界中)から採用を行うしかない

結局のところ、インドからのエンジニア採用というのは、経済合理性という観点から導き出される帰結でしかありません。もちろん、インドというのは、人口比率的な想定エリアです。優秀であれば国籍は関係ありません。

ただし、そうはいっても日本なので民族語だけの人よりかは英語ができたほうがよいでしょう。インドネシアやアラビアや南米よりも、インド・バングラディシュ・パキスタンのほうが英語がデフォルトな分、相対的にコストが安いです。

エンジニアにとって一定レベル以上のエンジニアスキルというものが、非常に習得が困難なスキルである以上、エンジニア採用というのはエンジニアスキルを主軸で組み立てるべきであり、日本語スキルを主軸に組み立てることは戦略目標達成的に非合理です。

入社前段階での日本語スキルを不問にして世界に採用門戸を開く。自社の成長・発展のために優秀なエンジニアを仲間に引き入れる方法はこれしかありません。

Last updated: 11月 1, 2019 at 22:43 pm

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