現地企業のM&Aという採用戦略|インドエンジニア採用FAQ

このコラムでは繰り返しではあるのですが、日本ではエンジニア不足です。

そしてエンジニア不足を補うためには、企業の側で育成するかもとからできる人を採用するしかありません。

今回はそんなエンジニア業界においての成長戦略・採用戦略としてM&Aによる成長という戦略を考えていきます。

企業で育てるか、もとからできる人を採用するか。

どのようなジャンルのエンジニア(技術者)でも同じなのですが、育てるのか、元からできる人を採用するかは、どちらがよい戦略というわけではなく、どのレベルのエンジニアを求めているかによります。

この例でよく出てくるのが、少し前のニュースですが東京大学野球部の強化方法です。

このスキームは画期的なところは、従来のやり方である、勉強ができる子に野球を教えるのはでなく、野球ができる子に勉強を教えるというスキームを採用しています。

確かに、東京大学というと非常に難しい試験ではありますが、それらは、解答方法のある問題であり、何より本質的には合格点以上を取るという自分との競争という性質があります。

反面、野球、すなわちスポーツで勝つということは、本質的には相手との競争です。

確かに、両方とも、科学的なトレーニングの手法はかなりの部分確立されていますが、野球で勝つ、すなわち相手との競争に勝つほうが、トレーニング以外の要素がより多く必要になってきます。

端的には、学部入試で合格点を取るならばトレーニングが有効であり、試合で勝つならばトレーニング以外の要素がより大きくなると言えます。

これは本質的にはビジネスシーンでのエンジニアの世界でも同じです。

簡単なスキルならば、普通の人にトレーニングをした方が効率がいいです。
しかし、本当に難しいスキルはトレーニングで育成するという手法は、費用対効果が極めて低くなります。

本コラムでは、安い労働力としてのインド人エンジニア採用ではなく高いエンジニアスキルは教えてどうこうなるものではないので日本国内採用に拘らず、広く世界中から来ていただくのがよい、のが合理的である。というスタンスで書かれています。

※インドなのは、あくまで人口比的な理由であり、優秀な人は世界中どこにでも存在します。ただ、中国の方はあまり中国企業へ就職する可能性が高いため、響く採用は難しいのではないか?と思います。

全ての戦略は整合性が重要

まず、全ての戦略それ自体によい/悪いというものは存在しなく、外部環境との整合性や自社全体戦略との整合性によって決まります。

例えば人材使い捨て戦略が何故悪いか?と言われると、実は(人道としてはともかく)本質的には悪くありません。この場合、問題なのは外部環境との整合性です。

優秀な人材を無尽蔵に集めることができるならば(人道としてはともかく)企業の戦略として問題ありません。

もし、兵隊がキャベツ畑から無尽蔵に集められるのなら、兵士の命を使い捨てる戦略は戦争に勝つために非常に有効です。

しかし、現代の日本ではそもそも少子高齢化であり、人手不足です。また、優秀なエンジニアは、そもそも働く場所を選びません。だからこそ、人材使い捨ての企業戦略は悪い戦略といえます。

では、M&A戦略は、現代の日本と照らし合わせて、どういうシーンで有効であり、どういうシーンで整合性が弱いのでしょうか。

やることがはっきり決まっているならオフショア&アウトソース

トレーニングでスキルを向上させていく場合、人間の習熟度は経験曲線(エクスペリエンスカーブ)という筋道を辿ります。
どんなことでも同じですが、同じことを何回も繰り返すことで、スキルはどんどん向上し、それに伴い生産性も向上します。

つまり、やることが明確に決まっているならば、それを専門に何回も繰り返している個人/法人へ依頼をすることが最も生産性が高くなります。

エンジニア世界とは異なりますが、例えば、過払い金督促の分野などは、それに慣れている人に依頼をした方が生産性が高くなるでしょう。

では、M&A戦略はどのような特徴を持ち、どのような場面に向いているのでしょうか。

昨今、テレワークなど、インターネットを利用した仕事のスタイルが注目されていますが、感動を呼ぶ仕事・クリエイティブな仕事は時間と空間の共有から生まれます。

TVの先でどれほどの人数が観戦していようと、スタジアムに観客が入っていなければ、アスリートは感動を呼ぶ記録を作ることはできません。

CDの売れない時代ではありますが、音楽業界はライブ・コンサートで好調なビジネスモデルを構築しており、ライブでの演奏はネットにアップされている情報とはその性質が全く異なります。

感動をクリエイトするなら時間と空間の共有が必要

M&A戦略とは、スキームは複数ありますが、要するに会社を買ってしまうことです。ポイントは会社の何を買うためにMAをするのか?ということです。

有望な人材を引き抜く・再配置をする。ということでのMAならば、その人材と時間と空間を共有することができます。もちろん、人間はモノではないので、本人の意志で去っていく可能性もありますが、多くの人材を一気に集めることができる、という点で大きなメリットがあります。

反面、買った会社から人材の再配置を目的しない場合には本質的にはオフショア先を見つけるという戦略と大きな違いはありません。つまり、やるべきことがはっきりと決まっている場合の戦略との整合性が高いと言えます。

自社の戦略の確認が必要

ここまで見てきたように、エンジニアの仕事には大きく2つの傾向があります。
1つめは、マニュアル化、要件定義が可能な傾向度が強い仕事です。このタイプの仕事はオフショア・アウトソースとの相性が高いと言えます。

2つめは、クリエイティブ、都度の判断が重要な仕事です。このタイプの仕事はエンジニア・チームでの時間・空間の共有が非常に重要になります、オフショア・アウトソースとの相性はよくはありません。

そして、M&Aといった場合、この実態として、これらのどちらにもなりうるということであり、どちらが良いかは自社の戦略との整合性で決定されます。

自社で必要な価値が、マニュアル化、要件定義が可能な傾向度が強い仕事ならば、オフショア先を探すという意味合いでのMA戦略が有効であり、クリエイティブ、都度の判断が重要な仕事の場合は人材の一括採用という意味合いでのMA戦略が有効であると言えます。

Last updated: 1月 22, 2020 at 17:52 pm

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